平成18年度
地域畜産ふれあい体験
交流推進事業実施状況
社団法人 高知県畜産会
家畜とのふれあいについて

 夏休みの後半8月25日に香美市の「雪が峰牧場」において香南市の小学校低学年の児童とその保護者を対象にして、家畜とのふれあい体験のイベントを実施した。この牧場は、酪農を営む農家でジャージー牛を飼育している。一般消費者の見学をいつでも受け入れている県内では数少ない牧場のひとつである。子供たちの多くは家畜とのふれあい体験はあまり多くなく、日ごろ家畜を見ることは少ない。参加していただいた子供たちの親御さんも当然である。

 簡単な注意を受けて牧場に到着した子供たちは牧場の雰囲気にまず驚く。それは自分たちがいつもいる環境ではなくて、草と所々に点在する木々の緑、そして牛のいる風景である。高知県は県都の高知市を除けば大部分は田舎の風景が見られる。しかし、牧場に牛のいる風景は滅多にはみられない。このため、家畜の大きさや、その動き、体つきなどを間近で見ることによって、その仕草に興味を持つと同時に感想が口をついて出てくる。「うわっ!でっけー」「よだれが出てるよ」「目がかわいい」「尻尾って長いんだ」等、子供ならではの言葉がストレートに表現される。中には「汚い」とか「怖い」とかいう感想もある。そして、牧場主が飼っている牛の話をはじめると、子供たちもその保護者も日ごろ何気なく飲んでいる牛乳の知られていない生産の苦労を耳にする。中でも、子牛に飲ませるために母乳が出してくれるミルクを人間がもらっている。横取りしている。だから牛乳は大事に残らず飲んでほしい。との話には子供たちの心に何かを印象付けたに違いない。

 牛に実際にさわる体験では、定番ながら乳搾り体験、子供たち一人一人が、はじめはおそるおそる牧場の人に教わりながら牛の乳房に手をやる。絞り方を教えてもらって小さい手で絞る。この時、子供たちの顔は真剣そのもの。再び感想が口をつく。「あったかい」「すげーたくさん出る」「絞るとき握るところが長い」「しっぽで顔をたたかれたよ」など、しかし、いずれも子供らしい感想と感動に満ちている。そして牧場で飼われているポニーに乗馬する。この頃にはすっかり牧場の雰囲気になれてきて牛に触ったり、ポニーの顔に触れるなど、家畜とのふれあいを楽しんでいる。家畜たちも少し迷惑そうな顔をしながらこの訪問者の反応に応えている。最後はバターつくり体験、乳業メーカーの方のご協力をいただき、保護者も一緒になってビンを振って汗をかき、やっとのことでつくりあげる。パンにつけて食べると、あちこちから父兄の方の反応があがる。「おいしい!」の一言であるが、日ごろ食べ慣れているバターとはまたひと味違ったおいしさとの事。この牧場の雰囲気もあるだろうが、外で食べることで体がリフレッシュするようだと、参加者の一人が話してくれた。聞けば、何度か参加するチャンスはあったが疲れているとの理由で断ってきた。しかし、今年は子供にせがまれて、嫌々ながら参加した。でも、いい体験をさせてもらった。と感想を述べてくれた。チャンスがあればまた参加しますかとの質問に、絶対に参加すると答えを返してくれた。畜産に対する理解者を一人得た感があった。

 このイベント開催するにいたっては、牧場主の方や関係者、香南市の教育委員会の方々の強い協力をいただいた。最後に、この方々に心より感謝をこめて、ふれあい体験の報告とする。