地域畜産優良事例
《山間地の肉用牛振興対策をめざして》

《高知県長岡郡本山町寺家》《西村行雄》《社団法人 嶺北畜産協会》
2.地域畜産振興活動の内容

(2)当該事例の活動目的と背景
   【活動を試みた動機、背景、目的等】


 協会が設立される前は、畜産業務は地域に
点在する7ヶ所の農協の職員によって行われ
ていたが、それぞれが業務の一部として実施
していたため牛の所在や改良までは手が回ら
ず地域の正確な牛の頭数も把握されていない
状況だった。
 また、それぞれの地域に種雄牛がおり、交
配はこれらの農家が繁殖牛農家の要望を受け
実施しており登記や登録されていない牛も多
く、地域としての改良に対する意識も薄かっ
た。当時は成牛、子牛とも価格が高く、販売
は家畜商による見かけ判断で売買され、地域
内に家畜商も多く存在していた。このような
状況の中で地域産業として肉用牛の将来を考
える事が農家経営を存続させるために必要で
あるという意見を持つ人が地域の農協にもお
り、行政サイドでも討議されるようになった。
このような高まりを受け、嶺北4ヶ町村の設
立に向けた討議がなされ、また人工授精の技
術の向上と普及もあいまって、これらを一元
的にまとめ指導していく組織が地域内に必要
であるとの結論にいたり協会の設立が決定した。
 活動目的として改良を目的とした人工授精
業務が優先され協会が設立された翌年から実
施されている。農協から移管をうけた当時、
正確な頭数が把握されていなかったが、それ
ぞれの地域の協力を得て協会職員が調査にあ
たり3年の歳月をかけて地域内全頭の把握が
なされた。これを基にして計画的な交配の実
施ができるようになった、また協会には畜産
に関する全ての権限が行政の指導により農協
から移管され、購買を除く畜産業務は協会職
員の手にゆだねられた。
 現在は事業の複雑さもあり、一部は農協、
役場と共同しながらの業務もあるが、農家に
関わる重要業務は協会が実施しているものが
多い。
【本件に関するお問合せは】 社団法人 中央畜産会 事業第一統括部(支援・調査研究)
TEL 03-3581-6683 / FAX 03-5511-8205